近走短評&評価
いよいよ3歳クラシックを彩る最後のレースです。
5月29日(日)に行われる東京優駿(日本ダービー)の近走短評です。
△アグネスフォルテ(松山)
- これまでの好走は京都、中京。
長い直線が向いているとしたらここでも好勝負できるかもしれないが、先行馬の中では実力が一枚落ちるとみる。
初めての関東遠征という点も不安材料。 - ○京都新聞杯(5/7、京都2200m)2着
スローペースの中番手につけ、直線スマートオーディンに差されるも粘る。
上がり3F4位ではあるが、レースラップと同じ34.5で先行したとは思えない数字。
○アジュールローズ(ボウマン)
- 前走ハイペースの中でも確実に二の足を使えており、本番でもこの競馬ができれば好勝負できそう。
個人的に穴候補の1頭。 - ○プリンシパルS(5/7、東京2000m)1着
番手から直線で差し切り勝ち。
道中はハイペースだったがよくついていき、上がり3Fも34.9とレースラップより0.5速い。
×イモータル(石川)
- 前々走の共同通信杯でも最後は息切れしているように見え、ここから相手強化、距離延長となると好勝負とはいかないか。
- △共同通信杯(2/14、東京1800m)2着
内からの好位抜け出しで2着粘りこみ。
ハイペースを先行しながらよく脚を残したが、ディーマジェスティとは力の差を感じる。 - ×NHKマイル(5/8、東京1600m)11着
ハイペースではあったものの、上がり3F14位といいところなし。
◎ヴァンキッシュラン(内田博)
- 斜行癖については、少なくとも内田博騎手であれば問題ないとみる。
同条件の青葉賞を快勝という点で信頼感は大きい。 - ◎青葉賞(4/30、東京2400m)1着
6番手から直線突き抜けて差し切り勝ち。
前方のハイペースについていかなかった点が功を奏した。
○エアスピネル(武豊)
- 弥生賞と皐月賞、条件が同じ2レースでリオンディーズを物差しにするならその差は縮まっているとみる。
東京に舞台を移して逆転すると言えるだけのデータはないが、安定感は買える。 - ○弥生賞(3/6、中山2000m)3着
早い段階からリオンディーズの後ろで競馬。
直線から追い出すも届かず、マカヒキに差される。
この段階ではリオンディーズと力の差がはっきりある。 - ○皐月賞(4/17、中山2000m)4着
リオンディーズの不利を受けて5着入線後繰り上がり4着。
サトノダイヤモンドと同じく、決して脚色は悪くなく不利がなければどうなっていたか。
○サトノダイヤモンド(ルメール)
- 「あくまで目標はダービー」と思われていたことを考えると、皐月賞は十分好走といえる。
不利があり、皐月賞の1戦だけで測れない部分はあるが、きさらぎ賞を見る限りでは坂が終わってからの伸びはよさそうに思う。 - ○皐月賞(4/17、中山2000m)3着
リオンディーズの不利を受けて4着入線後繰り上がり3着。
不利を受けた後の脚色もそれほど悪くなく、不利がなければどうなっていたか。
○スマートオーディン(戸崎)
- 後方待機からの切れ味は抜群。
18頭立ての経験がなく、また器用な走りができる方ではないと感じるので、ダービーの舞台では分が悪いと判断。 - △共同通信杯(2/14、東京1800m)6着
中団から直線をいい位置に迎えるも伸びを欠く。
休養明け、馬体重+12で度外視してもいい1戦ではある。 - ◎京都新聞杯(5/7、京都2200m)1着
スタート出遅れ、スローペースと不利な条件の中、鮮やかに差し切り勝ち。
上がり3F1位。
◎ディーマジェスティ(蛯名)
- 坂と、その登りきってからの平坦なところとどちらでもいい伸びを見せている。
枠番もよく、前回以上のパフォーマンスをしそうな反面、舞台が変わり最後の直線で持ち味を出せるかどうか。 - ○共同通信杯(2/14、東京1800m)1着
後方から直線差し切り勝ち。
わりと荒れている芝をものともせず
上がり3F1位。
坂が終わったところからスピードアップし、最後は余力残しに見える。 - ◎皐月賞(4/17、中山2000m)1着
スタートはややふらついたが、後方策から直線伸びて差し切り勝ち。
上がり3F2位。
特に急坂のところで良く伸びており、力強さを感じる。
×ブレイブスマッシュ(横山典)
- 前走は着順ほど悪い結果ではないと思うが、良績はすべてマイル以下に集中しておりここでは分が悪い。
- △NHKマイル(5/8、東京1600m)8着
後方から直線追い込むも団子の中。
上がり3F5位と、狭いところに突っ込んだわりにはいい数字には感じるが…。
×プロディガルサン(田辺)
- 前走はマイネルハニーのハイペースについていってしまった点がすべて。
ただ2400mだと直線勝負の脚を他の馬と比べると一枚落ちる。 - △青葉賞(4/30、東京2400m)4着
先行策からハイペースについていき、直線で息切れしてヴァンキッシュランに差される。
×プロフェット(浜中)
- 前走イマイチだったのには馬体重増が原因の可能性も。
とはいえ初めての東京、左回り、乗り替わりと不安定な要素が多い。 - ×皐月賞(4/17、中山2000m)11着
中団から直線で置いていかれる。
上位陣とは差を感じた。
○マイネルハニー(柴田大)
- 青葉賞のようにかかり気味になることさえなければ、直線でもいい粘りを見せられるはず。
- ○スプリングS(3/20、中山1800m)2着
逃げを打ち、直線あとわずかというところでマウントロブソンに差される。
ややハイペースで厳しいレースを演出、上がり3F36.2とレースラップと同記録で粘った。 - 青葉賞(4/30、東京2400m)8着
△逃げて直線沈む。
いったんスローペースになってから急にハイペースになっていて、かかった可能性が。
△マウントロブソン(ベリー)
- 東京でも中山でも、坂を登りきったところでちょっとひと息ついてしまう印象。
十分な実力はあるが、この舞台では一枚落ちる感じ。 - ○スプリングS(3/20、中山1800m)1着
中団から直線抜け出し差し切り勝ち。
上がり3F3位で、結果ゴール板直前での差しになった。 - △皐月賞(4/17、中山2000m)6着
直線は2番手で迎えるが、上位陣に差される。
よく粘ってはいたが、上位陣とは力の差を感じる。
◎マカヒキ(川田)
- 前走の皐月賞、おそらく目標にしていたであろうリオンディーズなどはきっちり差し切れたが、伏兵ディーマジェスティに敗れた。
これまで前だけを見ていればよかった馬が、ダービーの舞台で横を見て競馬ができるかどうかというところ。
フラットでの脚はこの馬が一番とみており、東京の直線は合うと判断。 - ◎弥生賞(3/6、中山2000m)1着
後方待機から直線一気に差し切り勝ち。
リオンディーズ・エアスピネルの上がり3F34.4に対してマカヒキは圧巻の33.6。 - ○皐月賞(4/17、中山2000m)2着
4角から押し上げて直線追い込むが届かず。
上がり3F1位。坂をものともしない素晴らしい追い込みではあった。
○リオンディーズ(M.デムーロ)
- 先行し粘る実力は折り紙つきだが、東京の舞台で1着で粘るのは至難の業か。
あと調教後の馬体重の数字が心配、輸送をうまく乗り切れるか。 - ◎弥生賞(3/6、中山2000m)2着
先行策から4角で先頭を取り押し切ろうとするもマカヒキに差される。
とはいえ残り数10mまでは勝っており、差は本当にわずか。 - △皐月賞(4/17、中山2000m)5着
3着入線だが、斜行のため5着降着。
脚色自体はまだ残っていたが、斜行がなくても4着くらいか。
×レインボーライン(福永)
- マイルが適性距離と判断。
よく力をつけてきていると感じるが、ここでは役者が違うとみる。 - ○NHKマイル(5/8、東京1600m)3着
中団から直線追い込み、メジャーエンブレムには届かず、ロードクエストに差される。
とはいえ約1馬身差で、下馬評を考えれば十二分の仕事。
○レッドエルディスト(四位)
- 丁寧なローテで使ってきており、今回の条件下では切れ味はいいものを出せそう。
- ○青葉賞(4/30、東京2400m)2着
後方待機から直線追い込むも届かず。
ダントツでメンバー最速の上がり3F33.9。
△ロードクエスト(岩田)
- 春先からレベルの高いレースを3戦しており、疲れが心配ではある。
また、池添騎手が騎乗停止で岩田騎手に乗り替わりという点もマイナス。 - ○スプリングS(3/20、中山1800m)3着
最後方から直線追い込むが届かず。
上がり3F35.0の2位。
さすがに4角での位置が後ろすぎたか。 - △皐月賞(4/17、中山2000m)8着
中団から直線でインをつき、いい位置にはつけていたがそこから伸びることができず。
最内の芝の状態が良くなかった可能性あり。 - NHKマイル(5/8、東京1600m)2着
◎最後方から直線追い込むもメジャーエンブレムには届かず。
上がり3F1位、33.8の脚は長い直線の東京向きのように見える。